失恋は人生の中でも最も辛いものの一つです。幸せだったかつての日々を思い出して泣いてしまう人もいるかもしれません。もしもあなたが今、とても辛い状態だったとしても、その傷はいずれ癒えます。
失恋をしてすぐの頃は復縁を願ったり、またすぐにでも新しい恋人を見つけたいと思うことでしょう。しかし、失恋して間もなかったり、復縁を強く願って止まないときに引き寄せの法則を行っても、効果はほとんど見込めないどころか、ときにさらなる悪循環をもたらしかねません。
そこでまず学ぶべきは、引き寄せの法則で本当に効果を出すための原則です。とくに失恋中という波動が下がっている状態では、引き寄せの法則の仕組みと原則をしっかりと知って自分なりに上手に調整することが求められます。
この記事では失恋中に引き寄せの法則を行うためのやり方と注意点、そして願いを叶えるための仕組みについてお伝えします。


■失恋は恋愛成就よりも辛いもの

引き寄せの法則はとてもシンプルな仕組みです。
①願う
②願いが叶ったように日々を送る
③受け取る
たった3つのステップで願いを引き寄せることができますが、失恋中や復縁希望の場合、ここにワナが潜んでいます。
失恋はとても苦しいものです。なぜなら私たちは何かを得る喜びよりも、何かを失うことの苦しみの方が大きくなるようにできているためです。
これは行動心理学では「プロスペクト理論」と呼ばれるもので、2002年、ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーによって発表されました。
たとえば手持ちのお金が10万円あって、コインの裏表で当たればもう10万円もらえ、外れたら10万円をなくす賭けをしたとしましょう。当たって10万円もらう喜びと、手持ちの10万円を失う苦しみを考えると、どちらが心に大きく響くかおわかりのはずです。
この仕組みで考えると恋人を得ることよりも失うことの方が実はずっと苦しいのです。その苦しみの真っ最中、はたして引き寄せの法則を使いたいからと言って、新しい恋愛の喜びを先取りしたり、もしくは復縁が叶ったかのように日々を過ごすことができるでしょうか。
むしろ失った苦しみがますます強くなり、心にぽっかり空いた穴がますます広がってしまうだけです。ここに引き寄せの法則の難しさがあります。
この心を執着心と呼びます。
■失恋直後の引き寄せの法則はなぜ叶わないのか
失恋後や復縁を願っている最中は絶え間なく相手のことを考え続けてしまっている状態です。そのような状態で引き寄せの法則を行っても、心の中は執着心でいっぱいです。執着心があるために、常に願望を意識の上にさらしてしまっているのです。
これでは、せっかく畑に種を埋めたにも関わらず「いつになったら芽が出るのだろう」と絶えず種を掘り返してしまうようなもの。つまり、願望が潜在意識まで届いていないのです。当然、引き寄せの法則は働きません。
よしんば願いが潜在意識に届いても、今度は、失恋で生じた不安や悲しみ、絶望感などと言ったマイナスの感情そのままの出来事が現実化してしまい、弱り目にたたり目と言った事態になりかねません。
これは簡単にたとえることができます。
Aさんと言う好きでも嫌いでもない人にあなたが告白されたとします。あなたは少し考えてお断りしたとしましょう。しかしその途端にAさんがますますあなたに言い寄ってきたらどうしますか。さらに強くお断りしますよね?
これはお断りしたことでAさんがさらなる執着心を抱き、マイナスの感情のままより強い願望を抱いてあなたに迫ってきたからです。
お断りするにはお断りするなりの何かの理由があるのです。逆にAさんがしばらく身を引き、しばらくしてまたあなたの前に現れたとしましょう。そのとき、あなたが心の片隅で「Aさんは嫌いじゃないけどここはちょっと……」と思ったところが直っており、しかも魅力が増していたらお付き合いをする可能性は大きく上がることでしょう。
失恋直後に引き寄せの法則を扱うと大体最初のAさんの方になりがちです。執着心を抱えてあれこれ考えてしまうため、自分の悪い面をさらに拡大させてしまう。だから潜在意識はその感情を現実化させて自分自身に返してくる。この悪循環を引き起こしてしまうのです。
そしてこのような事態を回避し、失恋後に願いを叶えるためには、2つのステップが求められます。
■失恋中に引き寄せの効果を出すための2つのステップ
失恋時に行う引き寄せの原則はいたってシンプルです。
①失恋から立ち直る(マイナスをゼロにする)
②新しい恋を見つける(ゼロをプラスにする)
当たり前じゃないかとがっかりした人もいるかもしれません。でも、失恋した大多数はこの当たり前ができていないのです。
失恋した多くの人が今の苦しみから逃れることと、新しい恋人(もしくは復縁)を探すことを混同してしまいます。そしてまず自分の心を癒やすという手順を踏まず、心が深く傷ついた状態でいきなり引き寄せの法則を始めるから失敗してしまうのです。
①【失恋時の原則】マイナスをゼロにするとは?
失恋直後や復縁希望の間は、頭の中はあの人のことでいっぱいになります。それも生身のあの人とは別に、あなたの脳内で相手の姿が限りなく美化され、理想のお相手としてどんどん膨らんでいってしまっているのです。
だから、最初に行うべきはこの理想像をゼロに戻すことです。お相手と出会った当初、あなたはお相手に一目惚れしたでしょうか。中にはいるかもしれませんが、大抵は「ちょっとすてきかな」とか「少し気になる」とかその程度だったはずです。つまり、そこらへんを歩いている人に限りなく近い他人だったはずです。
この、美化された相手を単なる他人に戻す作業。これがマイナスをゼロにすると言う作業です。
次の項目ではそのために必要なステップを紹介します。
・相手のことを考えない
理想化された相手の存在をゼロに戻す。そのための基本は「相手のことを考えない」ことです。
そのためにおすすめしたいのはマインドフルネスを活用することです。マインドフルネスとは瞑想を科学的に扱う手法です。マインドフルネスを上手に利用することで脳内で理想化された相手への気持ちをゼロに近づけてゆくことができるでしょう。
ただ、相手のことを考えないことが基本とお伝えはしましたが、それは実際には難しい人もいることでしょう。マインドフルネスは効果があるものの、日々の繰り返しで次第に効果が出てくるもの。一方、失恋の辛い気持ちを和らげるための即効性を求める人も多いはずです。
・相手についての考え方を学ぶ
相手のことをどうしても考えてしまうのであれば、マインドフルネスと併用して「相手についての考え方」を学ぶ必要があります。
このステップでは脳内で勝手に美化されたお相手の存在を、理性で「それは違うよ」と修正していく作業を行いましょう。これはお相手の人柄について共通の友人から冷めた言葉をもらったり、あるいはもし親しくなったら起こり得る問題について想像を巡らせてみたりすることです。
これは『納得をする』と言う作業です。実際のところ、あなたが恋するに値する相手は世の中にごろごろしています。一方で今のお相手の人柄全般についてあなたがわかってしまえば、あなたはもうその人にはあまり興味がなくなるかもしれません。
お相手も人間です。良い面も悪い面もあります。だから納得するまで考えることを前提に、自分なりに納得する見方を見つけるように意識を向けてみましょう。
・自分軸に戻る
相手への考え方を学ぶことで執着が薄れ、気持ちがフラットになる。そのときには、それと併せて自分の価値をもう一度見直す必要があります。失恋とは、自分の価値を否定されることです。だから相手のことを想っていればいるほど自分で自分のことを信じられなくなります。
これを心理学的には「自己肯定感」と言います。この自己肯定感を普通にまで戻さないと暗い気持ちがいつまでも続きます。そのため、マイナスになった自己肯定感をゼロまで引き戻す作業が必要です。目安としては「別にあんなやつどうでもいいや」と自分を誇れるくらいまで自分を取り戻したいところです。
そのために自分を癒やす作業をしましょう。具体的な方法として、まずは自分をいたわり、ねぎらい、認めてあげましょう。がんばった自分にご褒美をあげ、相手のことを考える時間があれば自分に気持ちを向けるようにするのです。
「相手へ意識が向いたら自分に戻る」ことがマイナスをゼロに戻すための原則です。自分なりにそれが腑に落ちない限り、いつまで経っても執着心が芽生えて引き寄せの法則は扱えなくなります。
なお、上記を試しても失恋の傷みがなかなか和らがなかったり、失恋うつや孤独感に苛まれて仕事や学業が手につかなかったりするのであれば、苦しみを癒やす方法として、顔を出さずにオンラインでカウンセリングが受けられる病院と違い、事前の予約・通院不要【Unlace】
の利用をおすすめします。
マイナスだった感情がゼロに戻ったとき、お相手のことをたまに思い返すことがあったとしても、気持ちはかなりフラットになってきているはずです。付き合ってもいいし、付き合わなくてもいい。大体それくらいの状態になってきていると思います。
・波動で状況を確認する
今の自分がマイナスなのか、ゼロまで戻っているのかわかりにくいと言う人もいるかもしれません。これを測る方法に「波動」があります。
人は自分の人格と似たような、人・環境・状況を引き寄せます。類は友を呼ぶと言いますし、スピリチュアルではこれを「波動の法則」と呼びます。そして、今の自分の環境や人間関係を見回してみれば、大体今の自分の精神状態がつかめるはずです。
・引き寄せの法則を使う
状況も精神状態もほぼ問題なくなりました。
ここまで来たらいよいよ引き寄せの法則を使ってみましょう。願いはあなたを振った相手であってもいいかもしれませんが、一人の人に固執するよりも、あなたが想いを寄せた人の良い面も含めた理想の相手をイメージした方がより夢は叶いやすくなります。
引き寄せの法則を世界中に知らしめた「ザ・シークレット」のビジョンボードでも述べていますが、理想の相手はコラージュのように想い人や理想の相手、好きな芸能人などを部分部分であてはめるかたちでイメージすることがおすすめです。むしろ大切なのは願いに向かってワクワクした気持ちで、ありありと、リアリティを持ってイメージすることです。
・シンクロニシティで進捗を把握する
引き寄せの法則で願望を潜在意識に落とし込んだ。願いが現実化するには時間がかかります。そのため、まずは目の前にある、やるべきことに没頭することが一番です。
ただ、そうは言っても不安に駆られてしまう人も多いはずです。
強い不安に駆られると不安が現実化してしまい、願いの実現は大幅に遅れてしまいます。そのようなときにはシンクロニシティを活用してみましょう。シンクロニシティとは、自分の精神状態に共鳴して起きている現象のことです。今、小さな良い出来事が起きているのであれば願いが叶い始めている証です。安心して目の前にあるやるべきことに没頭してください。
・成功曲線を知っておく
引き寄せの法則の願いが叶うまでの時間は内容や心理状況によりまちまちです。これは大きなビジネスの話ですが、私個人でいえば、数千万円単位のはっきりと手応えのあったできごとで5年間かかったものがあります。
そこに至るまでは、お金や経済について無知も良いところであった私が中学生の算数の教科書から勉強しなおしていくつもの金融の資格を取得したり、会社での仕事を終えた後に経営大学院に通ったり、何の知識も人脈もないまま、複数の事業を手掛けたりなど夢中で取り組んでいた期間がありました。
ただ起きてくる事象はどうであれ、潜在意識が見つけてきてくれる突拍子もないものを自分が選び取り、それに夢中で取り組んでいればいつの間にか夢は叶います。
そこに至るまでの期間は「成功曲線」というものでたとえられます。
水はある瞬間までは水のままです。何度になっても状態は変わりません。しかし100度になるとどうなるでしょう。水という液体が沸騰し、蒸発して気体になりますね。
このように成功はある瞬間に突然訪れます。
だから一度引き寄せの法則を開始して夢中で取り組みだしたら、いつ叶うかななどと考えずにとにかく取り組み続けることです。


■本物の引き寄せの法則は実践的なもの
引き寄せの法則は仕組みがわかればそれほど不思議だったり、おもしろいものでもありません。
私の知人で、東大卒で経営コンサルタントをやっている人は、仕事で膨大な情報を集めて整理した後、潜在意識に「明日までに答えを教えて」と問いかけて眠るだけで翌朝には回答が得られると言っていました。
これも引き寄せの法則の応用例ですが、実践心理学とも言えるような行動です。なぜこんな話をするかと言うと、引き寄せの法則とは、キラキラした目つきでお月さまに願うようなものではなく、もう既に数百億円もの大金が動く実社会の中で明確に使えるスキルとして扱われている、実践的な潜在意識の活用方法なのです。
当ブログでは「風の時代、第6ハウスからのエネルギーを浴びよう!」とは言わないです。そういうものに関わると執着心をこじらせて、本来であれば大事な願いに費やせるだろう時間もお金も出逢いもエネルギーも奪われてしまうからです。
今回のお話は引き寄せの法則の原則についてですが、本当に使える仕組みは実際にやってみて、本当にうまく行くとはっきりと手応えが感じられます。とくにリアリティあるイメージができた場合、かっちりと世界が切り替わるような手応えを覚えます。
私がお伝えしていることはふわっとしたものではないかもしれません。しかし辛い失恋を乗り越えて幸せを手にしたいと思っているのでしたら、その方に単なる慰めではなく、本当に使えるものとしてお伝えできたら嬉しく思います。
なお、自分軸を持ったさらに魅力的な人となるために、自分で心理学を学び、日常で活用するのもおすすめです。引き寄せの法則と合わせて活用することで、自分だけの効果的な活用法を見出すこともできることでしょう。


良い方と巡り合い、みんなが幸せな恋を楽しめますように。
■今回のポイント
・失恋後の引き寄せの法則がうまくいかないのは原則を知らないから
・失恋時は執着と不安のそれぞれが願望の達成のじゃまをする
・失恋時のステップはマイナスをゼロにし、ゼロをプラスにすること
・マイナスをゼロにする作業は、相手の理想像を普通に戻し、自分の価値を引き上げる
・ゼロをプラスにする作業は、イメージにリアリティをもたせてワクワクすること
・引き寄せの法則は実践的に活用できるもの。ふんわりしたおまじないではない。