【心理学】スピリチュアルから見る失恋の3つの意味とは?

失恋とスピリチュアル

失恋は誰でもつらいものです。眠れなくなったり、朝がつらかったりする人も少なくないでしょう。

 

一方で人生の観点から眺めると失恋にもポジティブな意味があります。失恋は必ずしも悪いことばかりではないのです。

 

この記事ではスピリチュアルな観点から見た失恋の意味と、失恋という事柄の本質について説明します。

 

 



 

■心理学から観た失恋は『人格の成長』

 

失恋は自己の成長につながる

 

失恋をすると誰でも相手についてあれこれ思い悩んでしまいます。この期間はとてもつらいものですが、心理学的には実はとても価値のある有意義な期間なのです。

 

失恋からの立ち直りは精神的な成熟を可能にすると指摘されている。失恋から立ち直ることで社会的スキルが向上する。自己への洞察を深めたり人生の意味を見いだしたりするといった知見が得られている。

 

 浅野良輔・大坊郁夫(大阪大学大学院人間科学研究科)

堀毛裕子 (東北学院大学教養学部)

日本パーソナリティ心理学会 2010

 

 

「喪失を体験してから今日までの間に、その経験をどんな風に考え、感じてきたか」ということを「意味の付与」として定義とすると、失恋に対しての意味の付与を行うことで、失恋という喪失体験を振り返ることができ、失恋相手からの心理的離脱ができるため,意味の付与は自己成長感に最も大きな影響を与えているものになった。

 

『村山美優・田副真美(ルーテル学院大学)』

 

 

一時期どれほど心を通わせあったとしても、相手は自分ではありません。コントロールできないものなのです。失恋で味わう欠乏感は自己喪失に近い体験です。

 

そのため、相手との関係を思い悩み、失恋から立ち直るということは自分の価値を再認識し、成長することで自立した大人へと変わることを意味します。

 

 

では、スピリチュアルにおける失恋の意味はどのようなものでしょうか。実はスピリチュアルの分野においても、心理学と述べている意味は似通っているのです。

 



 

■スピリチュアルから観た失恋の意味

 

スピリチュアルから観た失恋とは

 

失恋におけるスピリチュアルの意味は以下の3点となります。

 

①魂のステージを上げるため

 

失恋はつらいものですが、心が苦しんでいるとき、魂は充実します。なぜなら人間は生きているだけで煩悩の塊です。一方で魂は純粋であればあるほどそこに価値を見出します。

 

いくら相手を求めても、相手があなたに応えなかったとき、いずれあなたは失恋した相手に対して自分なりに見切りをつけなければなりません。その手放しの行為は自分の魂を磨き上げ、ステージを上げることにつながります。

 

 

②波動が異なるようになったため

 

人は自分の精神レベルに似た人・モノ・現象を引き寄せます。スピリチュアルではこれを『波動の法則』と呼びますが、波動は必ずしも一定のものではありません。

 

たとえばある男性がヨーロッパに留学することになりました。一方、恋人は今まで通り地元で暮らし続ける遠距離恋愛になったとします。

 

そこでの数年間の暮らしの違いはお互いのものの見方や価値観、生き方を変えるのに十分なことでしょう。当然、しばらくすれば波動も異なり、自然とお互いに「合わないな」と違和感を覚えることになるはずです。

 

上記のように大げさなものではなくても、失恋はお互いの波動に違いが生じた結果です。逆に失恋をしなければ、お互いに違和感を感じながらだらだらと関係を続けることになり、貴重な人生の時間の無駄になっていたはずです。

 

失恋をすると誰でも大きなショックを受けます。しかしそのときに「いずれ合わなくなる人だった」ということを理解し、これまで以上に自分を波動を上げるように努めることでより次の出会いが期待できるようになるはずです。

 

 

 

③より悪いものを避けるため

 

潜在意識に刻まれた先祖からの遺伝子は、ときに自分の人格とかけ離れたかたちで強いメッセージを発することがあります。俗に言う「虫の知らせ」です。

 

失恋をすると誰でも心にひどい傷を負います。しかし、よく思い返してみてください。失恋という事態に遭遇する前、相手の言葉やしぐさに違和感を感じたことはなかったでしょうか。

 

これはスピリチュアル的には「潜在意識」もしくは「先祖からの遺伝子」が警鐘を鳴らしていたのです。しかしそのときあなたの人格は恋心に呑まれて違和感に気づくことができなかったのでしょう。

 

失恋は恋の強制終了という悲しい結末です。それは誰でも良くないできごとに思えることでしょう。しかし失恋そのものは実は本当の悪いものではないのです。

 

潜在意識が合わないと教えてくれているにも関わらず、それを無視してたとえば相手と同棲をしたり、結婚をしてしまうと、後々DVや借金、もしくは大事故に遭うなど、想像もつかないような惨事に遭遇する可能性があったからです。

 

「虫の知らせ」は事故を起こした電車や飛行機に乗る直前に起こることが多いものです。今回は苦しい目に遭ったかもしれませんが、そのときの違和感をよく覚えておくとこれからの人生で危険なものを避け、より良い道のりを選んでゆくことができるようになります。

 

 

 



 

■【要注意】関わってはいけない!失恋のスピリチュアルな解釈

 

注意すべきスピリチュアル

 

スピリチュアルは目に見えない世界です。そのためスピリチュアルにおける失恋の解釈でもさまざまなものが挙げられていますが、以下の2つは人生を狂わせるため、信じたり考えたりしてはいけません。

 

①ソウルメイト・ツインレイ

 

ソウルメイトとは「前世からの関係」「魂の伴侶」と言った意味で用いられるスピリチュアル用語です。またツインレイは「一つの魂の分割」と言った意味合いですが、これらは引き寄せの法則の観点からもけっして信用してはいけません。

 

ソウルメイトやツインレイについて考えると、そこに大きな執着心が芽生えます。「わたしとあの人はソウルメイトのはずなのに」と、強い執着心に駆られている上、失恋という修復が難しい状況に直面したら、誰でも波動は極端に下がってしまいます。そうなると復縁はおろか、良くないできごとや人を次々と引き寄せてしまいます。

 

引き寄せの法則をしたものの、願いは叶わず、悪い現象ばかりを呼び寄せるというのは、要するに運気が極端に悪くなるということです。そしてソウルメイトやツインレイを信じるのはそれを呼び込む一因になりかねません。

 

また以前お伝えしましたが、30歳手前で占い師に「相手とツインレイ」と言われたばかりに、それをすっかり信じ込んでしまい、そこから何年も待ち続けた人もいます。もちろん何も起きたりはしません。

 

このようにソウルメイトやツインレイの概念は人生に大きな悪影響を及ぼします。仮に今失恋中であっても、真剣に恋愛について考えているのであれば、ソウルメイトやツインレイの概念には関わらないことをおすすめします。

 

 

 

②カルマと前世

 

もうひとつは「カルマ」と「前世」です。私は仏教の出家経験があるため、これらの存在そのものについて否定はしませんが、スピリチュアル界隈ではあまりにもそれがご都合主義で安っぽく用いられています。

 

スピリチュアルではカルマを業と解釈しがちですが、由来であるサンスクリット語でも初期仏典で用いられるパーリ語でも、カルマ(karma・kamma)の意味は「行い/行為」を指します。

 

あなたが今この記事を読んでいる瞬間も過去に無数の行いがあった結果です。しかしその行為の原因の一つひとつを挙げることができるでしょうか。小学校で日本語を勉強したり、スマホを買ったり、時間が空いたり、失恋したりと数え上げたらキリがありません。

 

カルマとは本来このように想像を絶するほどの無数の行いが寄り集まった結果なのです。さらにそれだけに留まりません。今、この記事を読める条件が整っているからこの文章を読んでいるわけです。これもまた地球の公転や空腹に苛まれていないといった無数の条件によるものです。

 

無数の原因が一つに集約した上で、無数の条件が整うことではじめて一つの結果が出てきます。仏教では結果を生み出す前提を「因縁(原因と条件)」と言いますが、タイムマシンでもない限り、過去の行為(カルマ)を消すことは誰が考えても不可能なのはおわかりのはずです。ましてや手の届かない前世などはなおのことです。

 

カルマや前世の問題に意識を向けることは、出口のない迷路に迷いこむのと同じです。スピリチュアルではこのような恐ろしいことを軽々しくも無責任に述べる人が少なくありません。カルマや前世の問題にはけっして関わってはいけません。

 

 

■曼荼羅が教える失恋の本質

 

曼荼羅(マンダラ)

公益財団法人千里文化財団『2011年巡回展「マンダラ ─ チベット・ネパールの仏たち ─」』

 

 

「曼荼羅(マンダラ)」と呼ばれる絵があります。仏教の世界観と究極の境地を描いたものです。

 

チベット仏教では、僧侶たちはこの曼荼羅を色付けされた砂で描きます。驚くほどに精緻な絵ですが、僧侶たちは瞑想とともに曼荼羅を描いた後、おもむろにそれを壊し、川に流します。ここまでで一連の修行なのです。

 

何ヶ月もかけて描いた精緻な絵です。誰もが「もったいない」と思うことでしょう。しかしすべての現象は絶えず移ろい、変化して消えてゆきます。それを砂絵の曼荼羅は表しているのです。

 

「縁が切れる」と言いますが、いかに親しい家族であれ、恋人であれ、あらゆる人間関係の縁はいずれ必ず途切れます。それは失恋かもしれませんし、絶交かもしれません。また離婚かもしれません。長年寄り添った末に亡くなるかたちかもしれません。

 

ある瞬間、燃えるような恋をしたとしてもそれは移ろい変化し、やがて必ず消えてゆきます。この法則は恋愛に限りません。この世のすべての人はもちろん、太陽も月も星々も、ありとあらゆるものにあてはまります。これを「無常」と呼びます。

 

すべてのものは移り変わる。何ヶ月もかけて描いた曼荼羅をあえて壊して川に流す。その無常の意味が理解できた瞬間、失恋のスピリチュアルな意味とは、実は「あの人を手放したくない」という欲求から来た単なる概念であることに気づくはずです。

 

ただ、それは必ずしも悪いものとは限りません。スピリチュアルを上手に利用することで自分の心の成長につなげることができるのであれば、失恋におけるスピリチュアル的な解釈も価値を為すことにつながるでしょう。

 

なお、失恋の傷みがなかなか和らがなかったり、失恋うつや孤独感に苛まれて仕事や学業が手につかなかったりするのであれば、苦しみを癒やす方法として、顔を出さずにオンラインでカウンセリングが受けられる病院と違い、事前の予約・通院不要【Unlace】の利用をおすすめします。

 

良い方と巡り合い、みんなが幸せな恋を楽しめますように。

 

■今回のポイント

・心理学では失恋は人格の成長の価値を持つ
・スピリチュアルにおける失恋は、
 ①魂のステージを上げる
 ②波動の変化
 ③本当に悪いものを避ける
 という意味を持つ
・「ソウルメイト・ツインレイ」を信じると運気を大いに落とす
・「カルマ」と「前世」は出口のない迷路に人を迷いこませる
・すべてのものは絶えず移り変わることに気づくことで、相手への執着心を解き放つことができる

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