
インターネット内はいまやスピリチュアルブログやスピリチュアルカウンセラーのオンパレードです。
自分の思想内で日々を楽しく過ごしている分には結構ですが、どんな人であれ人生には悩みがつきものです。そのようなとき、信用の置けないスピリチュアリストに関わると人生がおかしな方向にゆくばかりか、ときに取り返しのつかない事態へと発展しかねません。
この記事では偽物のスピリチュアルに関わった人の末路と、本物のスピリチュアリストを見極めるにはどうしたら良いかについてお話いたします。
目次
■オカルトとスピリチュアルの定義
1980年代から90年代にかけて日本国内ではオカルトブームがありました。都市伝説、心霊写真、UFOや魔術などさまざまなものがテレビや雑誌などで面白おかしく採り上げられていました。
オカルトを定義づけると「神秘的なもの」「超自然的なもの」「科学では説明できないもの」と言った位置づけになります。一方で2000年代に入り、日本ではオカルトに代わってスピリチュアルが世相を賑わせてくるようになりました。
スピリチュアルはオカルトとは異なって「霊的」「精神的」「思想的」な面が強調されています。それはスピリチュアル思想の流れを知ることで理解できます。
・スピリチュアリズムの系譜
スピリチュアルの源流は19世紀初頭に興隆した神智学です。ブラヴァツキー夫人やルドルフ・シュタイナーに代表される神智学は、キリスト教で異端とされたグノーシス主義などに基づく降霊術を行っていました。
1960年代頃、アメリカでは精神世界に若者の注目が集まり、ニューエイジ思想と呼ばれる一大ムーブメントを巻き起こしました。ニューエイジ思想は神智学をベースに、ニューソートと呼ばれるキリスト教の霊性運動、西洋占星術、フリーメイソンに代表される魔術結社の思想などを再編成しながら、独自の思想体系を作り上げていったのです。
ただし、いわゆるスピリチュアルの世界には一貫した思想は存在していません。とくに日本ではインターネットの興隆に伴って急速にスピリチュアリズムが流行しましたが、従来の日本文化と融合してオカルトともスピリチュアルともつかない世界観となっています。
■スピリチュアルな世界は存在するものの
まずお伝えしますが、目に見えないものは存在します。身近な例であれば、人の視線を感じるということは誰にでもあることでしょう。これは科学ではまだ明確に説明がついていないものの一つです。いわゆる「氣」に関わる分野です。
私はかつて東南アジアの仏教寺院で出家修行をした経験があります。日本でも2番目に幽霊が出ると言われる離島で2週間寝泊まりしたり、幽霊が出るために地元の人も近寄らない北関東の屋敷に所用で招かれ、元の持ち主が自殺した部屋で宿泊したこともあります。
だからこそ仏教の教義も含めた経験上、目に見えないものがあるのは存じています。またそれにまつわる実体験も信用の置ける多くの人から直接耳にしています。一方でインターネットを見るとあからさまにうさんくさいスピリチュアリストがたくさんいます。
次の項目では偽物のスピリチュアリストに関わるとどうなるかについてお話します。
■スピリチュアルの時代という危険性
スピリチュアルはふわりとしているものの、思想的・宗教的な側面を孕んでいます。一方で人生に苦しみはつきものです。
にっちもさっちも行かないとき、人は人智を超えた力に頼ってしまいます。しかし心が弱っているときは要注意です。インターネット内に跋扈する自称スピリチュアルカウンセラーのような偽物に引っかかると大変なことになってしまうからです。
・目に見えないものの恐ろしさ
以前、ある女性にお会いした際、その人は開口一番「私の前世はインディアンです」と言いました。その人はインディアンの象徴であるトーテムの話をした後、その前の前世が「巫女」であること、レイキができること、魔術が使えること、透視ができることを言ってきました。
私はその間、相槌を打っていただけなのですが、一方で彼女は得々としてそれを語ってきたのではありません。しゃべりながら弱りきったようにぽつぽつと私に身の上話をしてきたのです。
話をよく聞いていると、彼女はこれまでさまざまなスピリチュアリストたちから思い思いに助言を受けてきて、それらを全部信じ込んでしまっていたのです。そのために自分の中で何が本当なのか、何が偽物なのか、どうすれば良いのかとりとめがつかなくなってしまっていたのです。
霊的な力が弱いから運が悪いといわれて、運を良くするために方位学を学んだものの、前世がインディアンであるために方位を良くすることができず、だから国内にある魔術結社の人に会ったときに呪いをかけられた。
傍からみればばかばかしいにもほどがあります。全部うその一言で終わるのはおわかりだと思います。しかし彼女は心の底からそう信じ込んでいました。心が弱っているときに目に見えないものに関わると、出口がわからなくなってしまうのです。
目に見えないものというのは、人の心にこのように食い込んでくるのです。では、偽物のスピリチュアリストとはどのような人を言うのでしょうか。
■偽物のスピリチュアリストを判別するには
偽物のスピリチュアリストにはいくつか種類があります。以下にそれらを説明します。
①商売や趣味の人
私は業務でさまざまな取引先とお会いしてきましたが、過去には占い師さんを集めて商売をさせる、いわゆる占いの館的なところともお付き合いがありました。
はっきり申し上げますが、彼らは占い好きの普通の人です。「偽物!」と決めつけるほどではありません。気の良い人もいれば、ちょっと変わった人もいましたが、共通点は働いてる占い師さんたちは普通の人よりもちょっとお財布の中身が寂しそうな印象でした。
逆に儲かっている占い師も少数ながらいましたが、彼らの共通点は何かと言うと話術に秀でていることです。youtubeで占っている大手の占い師さんなどは、3択のタロットで相手もいないのに実に上手にお話をします。
また実際に会うとコールドリーディングを利用して相手を信用させるテクニックに長けている印象がありました。つまり、良くも悪くも商売なのです。
②あからさまな詐欺師
最も問題になるのがこの手の類です。霊感商法などでお金を儲けようとする類であり、大抵は本人とは別に汚い人間が裏で糸を引いています。
だいぶ昔、幽霊が出る物件ばかりを取り扱っている不動産屋のウェブサイトがありました。手作りの古いホームページなのですが、そこのサブドメインを開くと不動産屋の身内の霊能者が除霊をするホームページに早変わりするのです。
それと自称仏教徒や僧侶の中にも、前世療法や霊感商法を企むものはわんさかいます。知っている宗教や昔からのものだと思ってうかつに関わらない方が賢明です。
有名な宗派で大変立派な方も多いため具体的には申し上げませんが、「山」に関するものであやしげなことを言う者がいれば気をつけていただきたいと存じます。
③人格障害者
他人に平気でうそをついたり、自分の欲望のために他人を振り回したり、搾取したりしてもなんとも思わない人が世の中にはいます。
自己愛性人格障害と呼ばれる人がいます。精神病ではないため、社会の中にごく普通に溶け込んでおり、その割合は100人に6人程度とも言われています。
この人格障害の人は言葉たくみに人をだまして利用しますが、その原因は「自分は選ばれた特別な人間である」という考えに基づいているためです。
そして自己愛性人格障害は目に見えない霊的世界を扱うスピリチュアルと相性が良いらしく、心の底から自分は前世から選ばれた人間なのだと思いこんでいる人が存在しています。このような人はそれを理由に相手を脅したり、自分を賛美させようとするため、関わらないことをおすすめします。
・「見える人」について
これとは別に「見える人」がときどきいます。子どもの頃などにたまにいたと思いますが、これについては精神科医がはっきりと「思い込みの強い神経過敏な人」と言下に言い切っています。
逆にそうではない、本当に「見える人」という方々のお話も何度か聞いたことがありますが、彼らは口をそろえて幸せな人生ではないと言っています。
■偽物のスピリチュアリストを避けるためには
では、偽物のスピリチュアリストを避けるためにはどうしたら良いでしょうか。そのためには以下の3つに注目すると相手の人間性が見えるはずです。
①スピリチュアリストの師匠と出典を探る
スピリチュアルは渾然とはしているものの、一定の歴史があります。たとえばアメリカでムーブメントを起こした「ニューエイジ」の語源は西洋占星術で魂を意味する魚座の時代になったことに起因します。
また2021年には西洋占星術では風を意味するてんびん座でグレートコンジャンクションと呼ばれる現象が起こったため、現在を風の時代と呼ぶスピリチュアリストもたくさんいます。
・スピリチュアリストを見定めるコツは「深く」「狭く」
同様にスピリチュアリストが語る言葉には一定のくせがあります。そこに耳を傾けるとその人がどのような系列の思想・宗教を持っているかが理解できるでしょう。
また相手の語るスピリチュアリズムの源流について知識があるのであれば「深く」「狭く」訊ねてみましょう。
・どのように修行をしてきたのか
・誰から学んだのか
・どのような手法を使うのか
・語る言葉の出典は何か
とくに思想的なものの場合、出典には要注意です。思想とはそもそもが体系立っており、整合性が取れているものであるため、誰が聞いても一定の説得力を持ちます。だからこそ説得力を感じたときには、それはどのような人・書籍が言っているのかを問うてみると中身が見えてくることでしょう。
逆に裏取りや実体験がないものしか語らない場合、避けた方が賢明です。中でも一番わかりやすいものは「前世」と「カルマ」です。この言葉を聞いたときにはすぐにその場から立ち去ることをおすすめします。
なお、実は出典を探るという方法は私の発案ではなく、友人である浄土真宗のお坊さんが教えてくれたものです。
②話題に出てくる人とレベルを見る
YOUTUBEで有名な占い師がいます。仮面を被っていて詐欺の占い師が多いことに警鐘を鳴らしていますが、私はその人自身もあまり信用していません。
なぜなら喋っている内容が、反社会的勢力のお客さんだったり、夜の街の女性のお客さんだったり、裏面が真っ黒そうな芸能人のお客さんだったりと言った人の話ばかりをしているためです。
実際、占いというものはこのような人たちが顧客であることが多いのが実際のところです。ですが、このような人ばかりを扱って、しかも話題の中身も下品なため、たとえ仮面を被っていてもその人の人間性はよくわかります。
類は友を呼ぶと言います。私は冒頭で幽霊が出る場所の話をしていますが、実際に幽霊には会っていません。スピリチュアルな言葉で言うと、少なくとも悪霊が喜んで寄ってくるような波動ではないということです。
ブログに目を通すと、中にはスピリチュアリストとは名ばかりの生きた幽霊のような人も少なくありません。話の中身にはよくよく気をつけてそのレベルを測ることも大切です。
③スピリチュアリストは何を求めている?
スピリチュアルは霊的なものを扱った一種の思想です。そこに破綻をきたしているのであれば、誰もそれを信用しません。そして思想・宗教は、自分をその中に融合させる試みでもあります。
私は大きな宗派のお坊さん、神父さんやシスター、神主さんなどに知り合いがいますが、彼らはほとんど何も求めません。
たとえば東南アジアの仏教ではお布施に額を定めていませんし、お釈迦さまの言葉に倣って、お布施の種類にもお金だけではなく、食べ物や薬を受け付けたりもしています。
また以前、曹洞宗のお寺に泊まり込みで座禅をする予定でお金を先に払っていたものの、所用で出席できなくなったら、こちらが断っているにも関わらず、突き返すがごとく問答無用で返金されました。
それは彼らの信仰する神さま・仏さまが本物であり、彼らはその一部になっているからです。
だからこそ、自称スピリチュアリストに出会った際にはその人が何を求めているかをまず見つめてみましょう。たとえば自己愛性人格障害であれば個人的な賛美を求めているため、その人を称賛してもほとんど否定はしません。
逆に何も言っていないのに彼らから勝手に魔術や呪いなどで脅迫してきたり、運勢や前世やカルマを持ち出してくる人もいます。そこにはその恐怖と引き換えに何かを求める気持ちがあるためです。
■本物のスピリチュアリストは存在するものの
私は本物のスピリチュアリストは存在するだろうとは思っています。知人でも武術の師範で古神道の神主をしている人や、ヨガを教えてくれた人などはやはり気配があって何かを感じさせるものがありました。
聞けば教えてはくれますが、彼らの誰も自分の思想宗教を押し付けたりはしません。先に述べた曹洞宗のお坊さんなどは、坐禅会では「やる気がないなら来るな」とむしろはねのけるくらいの勢いです。
一方でインターネット内で語っている人の中には少しずれている人が散見されます。個人的な見方では、ネットでスピリチュアルを語る人はほとんどが偽物くらいで判断しています。当ブログも「引き寄せの法則」を扱っていますが、実践的に活用しつつ、多くの人に楽しんでいただけるよう、なるべく心理学から出典を出すように心がけています。
なおサーバー代に充てるため、当ブログでは広告を出させていただいております。失恋で悩んだり、スピリチュアルの世界で迷ってしまったときなど、活用していただけると幸いです。
良い方と巡り合い、みんなが幸せな恋を楽しめますように。
■今回のポイント
・スピリチュアルは「霊的」「思想的」「精神的」なもの
・スピリチュアルは19世紀の神智学を源流に1960年代のニューエイジムーブメントで興隆した
・心が弱っているときに目に見えないものに関わると、出口がわからなくなってしまう
・偽物のスピリチュアリストには3つのパターンがある
・偽物のスピリチュアリストを避けるには「師匠と出典」「話題の品性とレベル」「相手が求めているもの」を見定める
・本物のスピリチュアリストはインターネット内にはほぼ存在しない